アスリートの”食の型紙”屋

アスリートの”食の型紙”屋


食事を管理する上で、何をいつどれくらい食べればいいか知っているということは、大きな強みです。

COMO COMEの”食の型紙”は、スポーツ栄養学に基づき、一人ひとりがどのタイミングで、何をどれくらい食べるかのモデルパターンです。


管理栄養士になってすぐ、私は病院で働いていました。

病院での入院患者への食事の指示は、医師から、例えば1600キロカロリーの糖尿病食、というふうにでます。

病院の管理栄養士は、病名や病歴、検査値等を確認して糖尿病食でよいかチェックし、患者の性別や年齢、身長体重等から一日のエネルギー量を計算して1600キロカロリーが妥当か確認します。

確認ができたら、患者へ会いに行き、ごはんの量は何グラムで提供しますよ、味の濃さやおかず、野菜の量も、いつも食べられている量と比べて参考にされてくださいねと伝え、実際にそういう食事を提供します。


保健センターに移り、地域住民へ食べ方を伝える場合は、少し勝手が異なりました。

必要なエネルギーを知らない方が多いので、日本人の食事摂取基準(2015年版、第一出版)を参考に身長から理想体重を算出し、簡易式で一日のエネルギー量を推定する方法を伝授。ごはん量は男女別年代別に、身長・活動量ごとに表にして伝え、調理実習でも自分の量を自分で量って食べる形式にしていました。


スポーツ栄養では、どうでしょう。

”スポーツ栄養セミナー”と銘打って、競技も年代も様々な方に講義形式の勉強会があったりしますが、そこで自分が何を、いつ、どれだけ食べたらいいかの情報は得られるのでしょうか。

チーム単位でのセミナーでしたら、もう少しポイントは絞れると思いますが、体格もポジションも違う中、チーム全員が同じ量を目指して、本当にいいのでしょうか。

国立スポーツ科学センターの言う、”アスリートの食事の基本”(https://www.jpnsport.go.jp/jiss/nutrition/meaning/basicmeal/tabid/1192/Default.aspx)は誰にでも当てはまり、実践できるのものでしょうか。


一人ひとりの量はどうやったらわかるでしょう。食事摂取基準のようなだれもが参考にできるものも簡単にはみつかりません。とくに日本語に訳されたものは。すでに更新されたガイドラインの古いものを日本ではそのまま使っている例も目にします。

また、競技による特性、個人間の差は大きいものです。持久系、パワー系、審美系といった枠組みだけでは測れません。

それに加えて、同じ選手でも減量の時期なのか、試合が続く時期なのか、ケガからの回復を目指す時期なのか等で、その時の栄養目標は変わってきます。


つまり、複雑怪奇なのです。しかも必要なタンパクの量など、まだまだ議論中で揺れ動いていくことがたくさんあります。


私がスポーツ栄養を勉強してみて気になったことは、アスリートの栄養があまりにもパターン化して語られていること。その合わない型の服をどうにか着こなそうと、裾直しのような栄養相談や、オシャレ小物のようなサプリメントが蔓延している。


COMO COMEの目的は、きちんと一人ひとりに合った型をきちんと採寸して作ること。筋肉を増やすとか、貧血を改善するとか一つ一つをことだけではなく、勝つための食習慣であること。それが”オーダーメイドの戦闘食”です。

その基本となるのが”食の型紙”ですが、型紙を作るのは、大変です。最新の研究結果やガイドラインを吟味して、それが信用できるものか、この競技のこのアスリートに当てはまるか、マイナスになる可能性はどれくらいあるのか…勉強を重ね、思い悩みながら作成します。


スポーツ栄養の勉強をする機会がないまま、サポートを頼まれておっかなびっくり挑戦している栄養士・管理栄養士でも、型紙があれば、食のスタイリストのように力を発揮する方もたくさんいると思います。そんな栄養士・管理栄養士のお手伝いもできればと思っています。

チームサポートでも、基本は個人。一人ひとりの採寸と型紙ができれば、単発ではないサポートができるのではないでしょうか?

セミナーで大観衆に明るく語りかける栄養士も華やかですが、COMO COMEは地味に地道に型紙屋。そんな人がいてもいいんじゃないかな。

【2023.8 サービス終了】スポーツ栄養相談所 CÓMO COME

あなたをあなたの理想のアスリートに近づける、”オーダーメイドの戦闘食”に着替えましょう。 CÓMO COMEでは一人ひとりのアスリートに合った食習慣を見直す過程を服作りのように捉え、 丁寧に採寸、型紙作成、仕立てと着こなしのお手伝いをいたします。

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