食べ物と、生きる
”ギルトフリー”
罪悪感なく食べられる食べ物のことを指すのでしょうか。
食べることへの罪悪感…
それってどんなところから出てくるのでしょう。
・体重が増えることが怖い?
・食欲がコントロールできない自分が情けない?
・体に悪いって思いながら食べている?
こんなものを、こんなふうに、こんなに食べちゃうなんて。
…自己嫌悪。
本当は自分を好きになりたいのに、本当は自分を労わりたいのに、
それができなくて、自己嫌悪。
それで、食べることを否定してしまうのは、もったいないなぁ、と思います。
「食べることは、生きること」
栄養士の世界ではごくごくよく耳にする言葉なのですが。
息をして、食べて飲んで出して、酸化して糖化して老化して。
食べることはやっぱり生きる上で重要なパーツです。
本当は自分を大切にしたいのに、食べることを否定することで、自分が生きていることさえ否定しないために、食べることにもっと前向きに向き合うアイデアをいくつか考えてみました。
① おいしく食べられることに、感謝する
美味しいものを食べることが当たり前になりすぎて、忘れてしまいそうですが。当たり前じゃないんです。災害の時、病気やケガの時、当たり前が当たり前でなくなってしまった時には思い出すのですが、おいしいなぁって感じることは、間違いなく幸せなことです。美味しく食べられて罪悪感なんて、もったいない!
② おいしく食べられるものに、感謝する
食べ物を作るのは、大変なことです。食材を作る・育てる・捕ること、調理する・加工する・製造すること、販売する・提供すること。どれも簡単ではありません。機械で作ってるって?その機械やしくみを作るまでの試行錯誤を考えれば、やっぱり簡単じゃありません。食べ物は魔法のようにポンと出てくるものではありません。手がかかってるのです。それを食べて罪悪感なんて、もったいない!
③ 大きな枠組みで考えてみる
油や糖分が多い…、繊維やビタミンが足りない…。一つの食べ物や一回の食事は凸凹していて、てんで不完全です。ラグビーじゃないですが、それがたくさん合わさってのワンチーム。バイキングで食べ過ぎたり、宴会で飲みすぎても、少し長期的に調整ができれば、問題ないことが多いのです。一つ一つに神経質になりすぎると、全体のバランスが見えなくなってしまいます。ちょっと食べ過ぎた後は控える、疲れている時ほど自分を労わる食べ物を食べる、などなど、毎日・毎食完璧を目指す必要はありません。
④ 体と対話する
いつもは一生懸命、食べるものに気を付けて、食べすぎないようにしているけれど、時々どか食いしちゃって、そのときは気分は落ち込む…という方もいらっしゃるかも知れません。それは、生きるために必要な「エネルギー」という大切な栄養が不足してしまって、体がSOSを出しているのかもしれません。あなたの身体のSOSをまず一番に聞いてあげられるのは、あなた自身です。必要なエネルギーを体に取り入れるということも、自分を大切にすることの一部だということを忘れないでください。
露出の大きな衣装やユニフォームでの競技中の周りからの目線、指導者やファン・サポーターからのプレッシャーもあり、食べ物にポジティブに向き合えないアスリートは少なくありません。
食べることは、自分の身体を大切にするということ。生きるということ。
体との対話や、食べ物との向き合い方に不安があれば、管理栄養士がお手伝いできればいいなと思います。
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