スポーツ栄養は、”ままごと”か?
スポーツ栄養って、それを目指したり、憧れたりしている人にとっては、キラキラしたまぶしい世界。
だけど、もしかしたら栄養の「本流」の人たちから見れば、ただの"ままごと"なのかも知れない。
…栄養士全般向けのセミナーに参加した時、初めてそう思って、ぞわっとしました。
豚肉を食べて疲労回復?…なんて、しません!
適当なこと言わないでください。
講師の先生は、はっきりそうおっしゃいました。
プロテインのケーキを差入れして、あらかわいいね。
教科書の抜粋をしただけの、対象者に合わないセミナーを一生懸命して、よく頑張ったね。
上手でもない料理を提供して、美味しいって言ってもらえたから、良かったね。
数年前の私が言われたら、顔を真っ赤にして反論しそうな言葉の数々ですが。
性格が悪くてごめんなさい。
スポーツ栄養がままごとと言われないように、スポーツ栄養の価値を上げていけるよう、
できることが二つと思います。
① ベースを固める
「適当なこと」を言わない、しないように、地道にエビデンスを探ることです。私は数年だけ病院に勤務したことがありますが、ガイドライン等の分厚い本を片手に検査値を読み取り、薬を調べ、病態ごとの学会に参加し、勤務後も院内勉強会など…、病院の管理栄養士、ほんとによく勉強されていました。スポーツ栄養も、教科書ひとつでは済みません。日本に特化したガイドラインはないものがほとんどですから、英語のガイドラインを読んでどう当てはめるかさらに文献や事例を調べたり。情報は日々変化していきますから、常にアンテナを張っていなければなりません。この、スポーツ栄養サポートのベースになるエビデンスを共有してその使い方を相談・議論できる場所としてできたのが「スポーツ栄養士の図書館」です。
② データを積み重ねる
きちんとエビデンスに基づいたサポートを行ったなら、それを実績として残さなければなりません。大会で優勝した!とか、自己記録を更新した!とかではなくて、それを達成するためにどのような栄養介入をし、どのように栄養が貢献したかをきちんと記録として残すことです。そうすることで初めて新しいエビデンスとして蓄積され、それを参考によりよいサポートができるようになるかと思います。経験のあるメンターに出会えて仕事の仕方を教えてもらえる機会は誰にでも訪れるわけではないし、それだけを頼りにしていたら、広がりのない狭い世界になってしまうかもしれません。まだまだ新しい分野だからこそ!積極的に介入研究や介入事例としての報告をしていかないといけないと思います。
まだまだ道のりは果てしないのかもしれないけれど、栄養士仲間や医療者からも、「スポーツ栄養士、よくやってるよね!!」と認めてもらえるように。
キラキラでもままごとでもない、地味で地道な積み重ねが大切だと思います。
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