部活もできない不安な日々に…
新型コロナウイルスの影響が日に日に大きくなり、学校も休校、スポーツイベントも中止や延期、観客なしなど、異常な事態となってしまいました。
モチベーションを保って練習に励むのも難しい状況ですし、部活動も自粛になってしまって、ひとりで途方に暮れている学生アスリートもいらっしゃるかもしれません。
スポーツ栄養士としてまず私の頭に浮かんだのは、「せっかく頑張ってつけた筋肉が落ちてしまうのではないか」という懸念です。
おやつを食べすぎないようになど気を付けているケースはあると思いますが、「筋肉を落とさないように」気を付けて食べているでしょうか?
今日は筋肉を落とさないコツをご紹介したいと思います。
① タイムスケジュールを立てる
筋肉を保つには、1.運動、2.栄養で筋肉に刺激を与えることが必要です。さらに、休校中や春休みの課題として勉強も計画的にしないと、最後に勉強に追われてしまっては、勉強はエネルギーは使いますが筋肉は使いませんから、最後の最後で筋肉が落ちてしまいます。また、今の状況自体が間違いなくストレスになってしまいますから、意識してリラックスする時間をつくることも大事です。たとえば、こんな感じにできるかもしれません⇩
7:00 起床後、水分をとって30分ランニング
8:00 朝食
8:30-10:30 勉強
10:30-12:00 一人でできる技術練習、本や映像を見ながらイメージトレーニングなど
12:00-13:30 昼食と休憩
13:30-16:00 勉強
16:00-17:00 補食と休憩
17:00-18:00 筋力トレーニング、HIITなど
18:00-19:00 お風呂と夕食
19:00-22:00 フリー
22:00 ストレッチと補食
23:00 就寝
② 集中する
部活のピリッと引き締まった雰囲気のない中、また監督者のいないところで、集中力なくトレーニングをしてしまうとケガにもつながりかねません。動きの確認にしても、筋力アップにしても、時間を決めてしっかり集中して行うことをオススメします。今後どうなるんだろう、いつから試合できるんだろう…不安は尽きませんが、まずは今できることに集中しましょう。勉強も同様、ダラダラすると時間だけが奪われて余計ストレスになります。時間を意識して、集中することでおやつのダラダラ食べや欠食も防げます。
③ 食事や補食の準備、片づけを自分でやってみる
病気の流行も、学校や部活に行けないのもマイナスな事柄ですが、ふだん「出されたものを食べるだけ」だった人にとっては、自分の栄養を自分で管理してみる「チャンス」かもしれません。1回の食事や補食で十分筋肉を刺激するたんぱく質の量は、体重×0.3g(1)。計算してみて、おうちにある食品の栄養表示を眺めてみるのはどうでしょう。ちくわだったら何本必要?寝る前の補食には乳製品+スキムミルクがオススメですが、自分だったらどれくらいとったらいい?ごはんや麺やパンにもたんぱく質は入っていますが、1回に食べる量でそれぞれどれくらい違う?食事の時は「主食・主菜・野菜」を用意すること、補食の時はただ楽しみとして「おやつ」を食べるのではなく、たんぱく質を意識してみてください。お湯を注ぐだけ以外にも、簡単な調理ができると、食のバリエーションが大きく変わります。今の時代、レシピ検索で料理名と「簡単」と入れれば簡単なレシピはいくらでも見れます。ぜひこの機会に挑戦してみてください。それと!使った調理器具や食べた後の食器を洗うことまで忘れずに。ごはんやソースがカピカピになる前の一人分くらいなら、秒で洗えます!
不安な日々が続きますし、スポーツをサポートする人間としてはなんともやるせない気分にはなってしまいますが…、「逆境は人を強くする」ともいいます。
この機会に勉強の苦手克服や、スポーツでの自分の課題の発見、また自分の身体を作る食の管理に向き合ってみるなど、今できることを集中してやって、一回り大きく成長する機会にしたいものです。
参考文献:
(1) Moore DR. Maximizing Post-exercise Anabolism: The Case for Relative Protein Intakes. Front. Nutr. 2019;6:147. doi: 10.3389/fnut.2019.00147
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