勉強する時間なんて、ない⁉
2020年!
ついに東京オリンピックイヤー、スタートしました。
日本のスポーツ栄養界にとってももちろん、重要な年になることでしょう。
エビデンスに基づいた栄養サポートを提供するために、最新の情報を勉強し続けることは不可欠です。
日本のスポーツ栄養士がみんな、次々と出てきては世界のスポーツ栄養士の間で共有されている情報をきちんと学び、理解して、サポートするアスリートへの実践法を検討し、そこから試行錯誤してベストなサポートを見つけていく、また日本での実践データを積み重ねてアレンジしていく…というのが理想形だ、というのが私の持論でした。
ただ、そこにはいくつか障害があります。
・ 勉強の仕方がよく分からない
・ 最新の情報は、英語で出版される…英語の勉強からスタート⁇
・ 学術文献特有の固い表現で、読んでも理解しにくい
・ 文献⇒実践への応用の仕方が分からない
・ 実践に繋げようと思っても、変化を受け入れる環境整備が難しい
・ そもそも、じっくり勉強する時間が取れない!
などなど。
まだまだ、
・ スポーツ界での栄養士の仕事として、栄養戦略を立てる人というより食事や補食の提供の方が実際には求められているという現状
・ スポーツ栄養を基礎から学べる場所が整っているとは言い難いこと
・ 講義形式+正解の用意された記憶式のテスト、という日本の教育システムで、実践のひとつひとつに研究をもとにして理論づける”エビデンス・ベース”の考え方が浸透していないこと
等の状況から、どちらが原因とも結果とも言い難いですが、
スポーツ栄養をじっくり勉強できない
⇒ 栄養の戦略家としての評価が上がらない
⇒ 食事提供者としての需要が多い
⇒ 献立や発注・調理に時間が取られる
⇒ スポーツ栄養をじっくり勉強できない ・・・・・
という、悪循環が起こってしまっているのかな、と思うところです。
かくいう私も、スポーツ栄養士に対して、アスリートへ食事提供をする人、というイメージで目指しましたし、調理が好きなスポーツ栄養士ももちろんいらっしゃいますので、一概にこれが問題だともいえないところはありますが。
ただ、昨年10月に「スポーツ栄養士の図書館」という勉強グループを作ってみて思ったことは、もっと実践のもととなっている”出どころ”を勉強したいと思っている日本のスポーツ栄養士が、私の予想していたよりもはるかにたくさんいらっしゃるということ。
そして、昨年熊本で行われた国際的なスポーツイベントをお手伝いして思ったことは、チーム帯同のスタッフが勉強の時間を確保することは、私が思っていた以上に難しそうだということ。
もちろん、スポーツ栄養士がもっと認められて、勉強の必要性も理解されて、勉強する時間が確保されて、みんな当たり前に英語の文献が読めて、世界のスポーツ栄養士の間で話題になっていることを「あの研究って日本でのこういう場合には、こんなふうに応用できると思うんだけど」みたいな議論が当たり前にできるようになるといいなーとは夢見ていますが。
そんなこと言ったってなかなかすぐに実現するわけもないので。
私は大学教授でも、有名なアスリートをサポートしてきたベテランスポーツ栄養士でもなんでもないんですが、二年間、IOC Diplomaコースでスポーツ栄養の勉強をして、「スポーツ栄養を勉強するってこういうことなんだ!」と感じたことや、日々情報収集するなかで「これは知らなかったけど、役に立ちそう!」と思うことを、忙しくてなかなか勉強する時間がとれない日本のスポーツ栄養士に、今年は今までよりももう少し噛み砕いて、伝えていけたらいいかなと思っています。
私自身もがっつがつ、選手サポートをしていきたいんだと思っていたのですが、料理はあんまり興味がないのに料理にばかり時間が取られるのも、読みたい文献がたまっているのになかなか読む時間が取れないのも、私には案外ストレスなようです…。私は一日に何時間でも文献を読んで理論を練っていたい、笑。
それぞれのスポーツ栄養士がサポートするアスリートやチームへの”正しい”サポートの仕方には答えなんてありません。目標や現状、環境によって様々です。情報収集と試行錯誤の繰り返しです。
その、ベースとなる情報収集の部分を、地味に地道にお手伝いし、悪循環を螺旋階段状に上昇させたい!と願う、2020年!
スポーツ栄養士のための会員制勉強グループ「スポーツ栄養士の図書館」↓
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