アスリートのためのサプリメントの使い方
サプリメントの誤った使用による健康被害、競技パフォーマンスへの悪影響、さらには思いがけないドーピング違反を防止することは、スポーツ栄養相談所コモコメのミッションの一つです。
サプリメントとは実は定義もあいまいな存在で、薬とは異なり、有効な成分の科学的根拠や、製品に含まれるその含有量が定かではないものも少なくありません。また、栄養補助”食品”とはいいつつも、通常の食品からは決して摂取できない量の栄養素・栄養成分を供給するものもあります。
しかも、あいまいな存在だからこそ、サプリメントに関するアスリート教育はサポートチームの中でもスポーツ医の領域なのか?スポーツファーマシストの領域なのか?スポーツ栄養士の領域なのか?はっきりしないまま”死角”になってしまっているような現状があります。
そんな中、日本のサプリメントなら安全、と言われてきたものの、近年日本でも安全だと思って摂取していた国内製造のサプリメント使用でドーピング陽性反応が出たり( https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK40480_U9A111C1000000/ )、アンチ・ドーピングの第三者認証を受けようとしていた製品で少量の禁止物質が検出される( https://www.asahi.com/articles/ASM9T6DWPM9TUTQP01R.html )というニュースもあり、サプリメント使用について相談できる人が求められています。
私は、サプリメントが栄養補助”食品”であり、栄養計画の一部分である以上、スポーツ栄養士がリーダーシップと責任を持って取り組むべき分野だと考えています。
そこで、「自己管理能力の高いアスリートになるためのサポート」の一環として、サプリメントの使用管理ツールを作成してみました。アスリートが正しい知識と責任を持ってサプリメントを使用できること、またそのためのサポート体制や環境整備を目的としています。
ツールは、以下の4つのパートでできています。
① 「アスリートのためのサプリメントの使い方」ポスター
② サプリメント簡易参照表
③ サプリメント使用管理票
④ サプリメント使用管理のためのリンク集
②、③は2020年4月のKAGO食スポーツ×スポーツ栄養士の図書館 オンラインセミナーの参加者へ付録としてお渡ししたものです。現場へのスムーズな応用に役立てば…と思い、啓発用のポスターをプラスしてみました。
アスリートの正しいサプリメントの使い方、それは危険だから使わない方がいいとか、これにはこんないい効果がある!ということだけではなくて、どんな成分にどんなエビデンスがあるのか、使うタイミングや量で効果が変わったり副作用が出たりしないか、効果とリスクはどちらが優勢か、ということをアスリートが判断できるだけの情報を得て、自分の責任で使うこと、だと思います。そのためには、チームや競技団体で統一された「サプリメント使用規約」を作っておくことが大切ではないかと思います。
ツール自体はまだまだひな形の状態ですが、「サプリメント使用規約」の作成や、そのための流れづくりに役立てばうれしいです。
「サプリメントの使用管理ツール」はnoteにて¥500で販売中です。
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